友人の船は50年位前の年代物。
外側から見るとそうは感じないのだけれど、
モーターも当時からの現役らしく相当にダメージを受けていた様子。
きちんとメンテナンスさえしていたら、これから先もずっと使えるという頑丈なモーターなのだけれど、前のオーナーがほとんどメンテナンスをしていなかったのと、
友人自身もメカには弱いタイプなのでお手上げ状態だったらしいのです。
そのモーターは分解するのにとっても面倒で時間もかかるらしく、
どこのプロに頼んでもそのモーターは扱わないとかの理由で断られて沈んでいたところにウチのニコラが登場。
元メカニックなので構造的には理解できるけれど、
なにしろ傷みすぎてどこから手を付けていいのやら…。
モーターの下はオイルの海。
錆だらけでどこを触っても金属片がボロボロするような状態のエンジンを、
毎日毎日、何時間もかけてメンテナンスをし、ついには
ブルン!と一発かけただけで一定のリズムで音を奏でるマシンにまでに復活させたのでした。
(その分、自分の船は作業が進まず…😅)
その船のオーナーが感謝を込めて、食事に招待をしてくださいました。
実は、彼女が彼の誕生日に企画したサプライズのディナー。
誕生日の本人である彼には、私たちはアペロに来るという設定になっていたんです。
その約束の時間のちょっと前に、「港まで、クリームを買ってくる〜〜!」って出て行っちゃったんだよね、と、こぼしておりました。😝
しばらくして戻ってきたと思ったら、ディンギーに誰かと一緒⁉︎
彼女の他に2人乗っていて、彼は頭の中が⁇となっていました。あはっ。
よく見たら、コック服着てる!
じゃーん!
シェフが船に乗り込んで、食事をサービスしてくださいます。
Ninaとミカはキッチンに興味津々。
ミカのヨダレが垂れるんじゃないかとヒヤヒヤしておりました。😁
前菜は、シェフ手製の炭入りパンにトマトのサラダと白身魚のスパイス和え。
丸い輪っかは ブリックと言われる春巻きの皮のようなもの。パリパリな食感。
こういうオシャレな使い方があったか!
Ninaには子供用のメニューを。
結局は盛り付けが違うだけで ほとんど大人と同じボリュームだという…。
驚くことにコースの料理を全部平らげておりました。
お魚の一品。
名前は忘れてしまったけれど、この他にマグロもあり。
セルクルで丸く盛り付けてあるのは、簡単に言うとラタトゥイユのようなもの。
魚の上に乗ったのは、エシャロットとリンゴの爽やかな酸味のあるソース。
お皿の端にあった黄色いのはマンゴーとパッションフルーツとマスタードのソース。
これが美味しかった!
冷凍庫にマンゴーとパッションのソルベがあるからそれで似たようなものが作れるかも!
その後はお肉!
私は鴨をチョイス。
黄色いソースはスパイスの効いたコロンボカレー風味。(辛くない)
作っている時からいい匂いが漂ってきてたまらなかったんですよね〜。
付け合わせは、マルティニークでもよく売っている ハヤトウリのフラン。
上に乗っているのはポテト。
オレンジ色はサツマイモのピュレと、その上に素揚げしたもの。
ほのかな甘みが自然と笑顔にさせてくれる 優しい味でした。
ニコラはビーフを選んでいましたが、とっても柔らかくて美味しかったそう。
デザートはシェフ特製のパッションフルーツを使ったケーキと、
この食事会を企画した彼女のガトーショコラ。
自分の焼いたケーキをシェフのケーキの隣に並べるのは恥ずかしいと言っていたけれど、デコレーションしてもらってすっかり華やかなケーキに変身。(丸い方)
彼のためにスウェーデンのチョコレートケーキを焼いたんですって。美味しかった〜〜!
シェフが黙々と作業をしている間にアシスタントでもある奥さまと話をしていたら、
なんでもこの1月にフランス本土からやってきて マリーナの近くにお店を構えてスタートをさせようと思ったところにコロナウィルス。
本当についていなかったけれど、その間、家族で過ごして色々と考える時間もあって、それも悪くはなかったとおっしゃっていました。
実は船でのケータリングは今回が初めてだったそう。
カタマラン(双胴船)で雰囲気のいいレストランとか…是非やっていただきたいと思ったのでした。
とても楽しく、美味しくて素敵な夕べでした。