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フランス存在日記

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キズナ ガ キレタ・・・

【別れ】


7ヶ月に及ぶ、バックパックを背負っての貧乏旅行。
それはそれは楽しかった。 (そりゃ、そうだよな~。毎日、遊んでるようなもんだもんね)

相棒とは、息がぴったり。何故か自分と同じ空気が流れていて、同じペース。
自分によく似た人だな、と思った。

この時の、ニコラの職業はトラックのドライバーや車のメカニック。
運転免許証には、大型も含め、すべてのカテゴリーにスタンプが押してあり、すごいなぁと思ったもんである。そんな彼の夢は、飛行機のメカニックになって、エアポートで働くこと・・・。


結果的には7ヶ月一緒にいたことになるけれど、実は何度も「さよなら」をしている。
もう、会えないね~、という悲しいレベルのお別れ。
タダ単に、自分が行きたい目的地が違ったり、やりたいことがあるから先に行く、とかそういうことで、本来の一人旅に戻るということだけなんだけど、それがなかなかつらい。
離れては、またどこかで再会。そんなことも度々あった。

観光ヴィザのニコラは、私よりもヴィザが早く切れて(実際、一度出国してニューカレドニアに行って戻ってきた)、一足先にフランスへ帰ることになる。

その時には、2人の気持ちは旅の相棒から人生の相棒となるべく、結婚を考えていた。
フランス語ができない私のことを考慮して、カナダだったら英語もフランス語も使えるということで、移民申請しようか、とも考えていた。


ワーホリを終え、自分も帰国。なかなか普通の生活に戻れぬまま、ニコラが来日。
この時、両親を含め、将来のことをいろいろと相談する…。
が!これがなかなか大変。両親は大反対!というわけでもないが、親心としてはやはり娘を遠くに手放すのはつらい。 (国際結婚ってそんなもの・・・)

当時のニコラの仕事も、安定した職業とは言い難く、収入も低かったせいもあるかも知れない。とにかく、滞在は楽しんだものの、気持ちよく「OK!サイン」が出ぬまま、帰国の途に。


何度手紙をやりとりしただろうか・・・。今みたいにインターネットが普及していない時代。
そんなに昔のことではないのに、かなりアナログな時代だったんだなぁ・・・。

カナダの移民申請は失敗に終わり、お互いの国での話がうまく進まず・・・
遠距離でのやり取りにお互い疲れてきたこともあり、気持ちが少しずつ離れていく。
これは彼も私も一緒だったと思う。どんよりした毎日が続く中、私は、この関係に白黒つけるためにフランス行きを決行。1996年の1月のことだ。

以前、ちょろっと観光でフランスに立ち寄ったことはあるが、じっくり滞在はそのときが初めてだった。めちゃくちゃ狭いパリのアパートに居候し、そしてニコラの仕事の合間の週末には、実家のあるフランス南西部に遊びに行った。
私は食べすぎで熱を出し、 (うわぁ~、ダサい) ニコラは仕事があるので早々にパリへ戻る。
私は一人で、ニコラの両親にお世話になり、そこで田舎のすばらしさも発見する。

パリに戻り、いろいろな気持ちを整理しながら、一人で寂しくオランダやベルギー旅行。
(やっぱり、一人だと楽しくないな~。)
この時のニコラの仕事は、車のメカニック。毎日朝早く出かけ、夜遅くにヘロヘロになって戻ってくる、という感じだった。
(これがいつまで続くのだろうか・・・。)
帰国前に、いろいろと話をした結果、悲しい結末→別れるということになった。

見送り先でのシャルル・ド・ゴール空港第一ターミナル。今でも行くと胸がキュゥと哀しくなる。
「サヨナラ」という言葉の代わりに、「アデュー」という言葉を使って、ニコラが驚く。
「どうして、そんな言葉知ってるの・・・?」

Au revoir(オゥ・ヴォワー)とは違い、アデューは「もう長い間会わない」ということも含まれている、悲しい言葉。

振り返らないように、エスカレーターを上りながら・・・不思議と涙は出なかった。
長い遠距離恋愛の終わりですっきりしたのか、もやもやが吹っ切れたからか・・・。(イヤイヤ)

だって、なんだか、また会えるような気がしてたから。
by exmouthcoco | 2005-02-15 05:42 | **出会い…

フランス生活17年。そろそろ終盤。念願の、ヨットで世界中を旅してきます。


by exmouthcoco